相模原市の書道教室・筆耕サービス【唯心】
瀬間唯心です。
今日も引き続き通信のお話を・・・。
長いです。
唯心の通信教育はいたってアナログ。
zoomもYouTubeもやりません。
郵便でのやりとりという昔ながらの方法でやっています。
練習課題の提出は毛・硬それぞれ1枚ずつ。
清書課題の提出は2枚ずつ。
やりとりする回数と添削枚数は極限まで減らして、
最大限の効果を生むのが目的です。
まず、親御さんの負担を減らしたいという思いもありますし、
生徒さんには、
口頭で説明されないと分からない、出来ないという
状況から脱却する為の一番肝心となるスキルを
身に付けてもらいたいという思いから、
やり方は簡素ながらも、
やがて身につくスキルは大きく!という
意図があっての、あえてのアナログ通信なのです。
では一番肝心なスキルとは何なのか。
色々な考え方があると思いますので、
これが絶対とは言い切れませんが、
私が書をやってきて、やはりここが重要だろうな
というスキルがあるのです。
それはずばり、
『手本を読み取る力』です。
もちろん基本的な筆遣いも大切ですし、
字形をマスターする事も大切ですが、
手本を読み取る事が出来なければ、
何も始まらないと言っても過言ではないと思っています。
子供の生徒さんには少々、
求めるものが高すぎるかもしれませんが、
是非とも、身に付けてほしいスキルです。
通信生は、
競書雑誌と私が書いた朱墨の手本だけをみて練習します。
ちなみに私の手本に、ここを長くとか、
そういった解説は一切いれません。
手本に解説が入っていないので、
生徒さんは朱墨の線だけしか情報が無いのです。
長い、短い等のコメントが無い上で、しっかり書き上げるには、
手本に穴が開くほど観察・研究しなければいけません。
そういう難解な状況によって、
そっくりに真似ようという意識が働きます。
そして、添削する作品は1枚だけなので、
練習したもののなかで、
一番良いと思うものを自分で選ぶ必要があります。
例えば何十枚も添削してもらえるとなると、
その1枚1枚は雑になります。
たった1枚しかみてもらえないとなると、
なんとしてでも良い作品を提出しようという気持ちになるのです。
やりとりの回数や添削回数を少なくする事の意味は
ここにあると思っています。
多分これは、
大人の生徒さんにとっても難しいことだと思いますが、
子供のうちから、
口頭での説明が無くても、
おおよそのことを手本から読み取る事が出来るのは
強みになると思います。
なので、通信生に限らず、通学生にも
『手本をよく研究して!』と言います。
しっかり研究して書いた作品には丁寧さが加わりますので、
好印象です。
上の作品は、2年間通信を続けている生徒さんです。
清書ではなく、まだ練習段階です。
解説も何も入っていない手本から、
ここまで書き上げることが出来るのは、素晴らしいです。
そして、今回は、質問カードまで送ってくれました。
これが、私が身に付けてほしいと願っている
『手本を読み取る力』なんです。
まず、こういう疑問は、
手本を研究していないと生まれてこない視点なので、
どれだけ手本を読み込んでいるかが分かります。
通信教育でも、ここまでの成長を見せてくれて、
本当に素晴らしいの一言です。
そして昨日の話に戻りますが、
通信でも上達するのかどうかの秘訣、
『本人のやる気次第』に繋がってくるという訳です。
通信という、実際に手に取って指導出来ない環境でも、
最大限の成果が得られるようにと、
意図をもってルール化したアナログ通信ですが、
こういった、生徒さんの成長は何より嬉しいものですし、
頼もしさすら感じます。
線の長さや方向、形、余白、いろいろな事を
自分の目で見て感じ取って作品に落とし込んでいって欲しいです。
通信教育は、通学で学ぶのと違って、
過酷で孤独な闘いです。
物理的に通えないという理由が無い限り、
決して無理にお薦めもしていませんが、
取り組む姿勢によっては、
通学同等、もしくはそれ以上の力がつく場合もあるという事です。
通信生の皆さん、
これからも益々の上達を期待していますよ(^^
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